2017年09月18日

中年の希望


田辺聖子さんの『春情蛸の足』/講談社文庫
を読みました。
小説を読みながら、笑う事は殆どないのだけど
さすが、おせいさん。
幾度となく声が漏れてしまった。
収録8編すべてのタイトルに「情」が入っていて
登場するのは中年ばかり。格好悪くて愛しい。

読了後は、あつあつの汁気があるものを食べ
たくなって、
日々の些細な出来事がどうでもよくなって…
つまり、お腹が減って気が大きくなったのです。
いい小説だ〜。

ハタチの時、友人の彼氏(当時おじさん)に
三宮・東門街にある小料理屋へ連れて行って
もらった事を思い出しました。
白木のカウンターに、着物姿のおかみさん。
出て来たおでんのつゆが黄金色で、
おでんじゃない!と思った。
いわゆる関西風の白だしで、大根が格別旨い。
友人もその彼も酒飲みだったので、冷酒を
“ グラス in 升 ”で飲む『もっきり』という
スタイルを初めて知り、
その夜は、ずいぶん大人になった気がしたものです。

あの時の友人の彼氏やおかみさんの年齢を越えて
小説の中年と同世代のはずなんだけど、
どうにも自分は軟弱(脆弱)だなぁ〜と情けなくなる。
時代や環境も違うから当然なんだけど、
それでも、もう少し、ふくよかにー
“小粋な中年”を目指したいものです。



私には珍しい恋愛漫画『橙色の体温』
5年前くらいかな?
コンビニのおでんに一手間加えて食べるシーンを
描いていました。

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posted by 埜納タオ at 23:11| 本 音楽 映画